—「節税になる」は本当か、それとも幻想か—
日本のワンルーム投資を検討している人の多くが、必ずと言っていいほど耳にする言葉があります。それが、「ワンルーム投資は節税になります」という説明です。特に年収が上がってくると、不動産会社や営業担当から「税金が下がる」「手取りが増える」という話を受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。
しかし結論から言えば、日本のワンルーム投資は「条件次第では節税になることもあるが、多くの人が思っているほど万能な節税策ではない」というのが現実です。むしろ、節税だけを目的にしてワンルーム投資を始めてしまうと、長期的には損失につながるケースも少なくありません。
実務の現場でも、「節税になると聞いて始めたが、結果的に資金が減った」という相談は珍しくありません。なぜこのようなことが起きるのか。その理由を理解しておくことが非常に重要です。
なぜワンルーム投資は「節税になる」と言われるのか
ワンルーム投資が節税になると言われる最大の理由は、「減価償却」という仕組みにあります。
不動産は、購入した瞬間に全額を経費にできるわけではなく、建物部分については耐用年数に応じて少しずつ経費として計上していきます。この仕組みを利用することで、帳簿上は赤字を作ることが可能になります。
例えば、家賃収入があったとしても、減価償却費や管理費、ローン金利などを計上すると、会計上は赤字になることがあります。この赤字を給与所得と合算することで、課税所得を減らすことができるため、「節税になる」という説明がされることになります。
確かにこの仕組み自体は存在しますし、条件が合えば税金が軽減されるケースもあります。しかしここで重要なのは、「税金が減る=得をする」というわけではないという点です。
節税になっているように見えて、実はお金が減っているケース
実務の現場でよく見かけるのが、「税金は減ったが、手元のお金も減っている」というケースです。
例えば、年間で20万円の節税ができたとしても、実際の持ち出しが年間40万円発生していれば、結果的には20万円のマイナスになります。つまり、「節税できた」という事実だけを見てしまうと、本来の収支を見誤る可能性があります。
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