ジョージア不動産の魅力とは!?

海外不動産

~ヨーロッパとアジアの交差点。低い参入価格、成長する観光市場、そして海外投資家が注目する理由~

海外不動産投資を検討する際、アメリカ、イギリス、タイ、フィリピン、ドバイなどは比較的よく名前が挙がります。しかし、ここ数年、海外投資家の間で存在感を高めている国の一つにジョージアがあります。

ジョージアと聞いて、すぐに場所を思い浮かべられる日本人はまだそれほど多くないかもしれません。かつてグルジアと呼ばれていた国で、黒海の東側、ロシア、トルコ、アルメニア、アゼルバイジャンに囲まれたコーカサス地域に位置しています。

人口は約370万人と決して大きな国ではありませんが、首都トビリシを中心に経済発展が進み、観光都市バトゥミでは外国人向けの不動産開発も活発に行われてきました。

特に興味深いのは、外国人による不動産取得のしやすさ、比較的低い参入価格、観光需要、そして投資家にとって分かりやすい税制です。

一方で、ジョージア不動産を調べると、表面利回り10%、年間価格上昇率15%、投資すれば居住権が得られるといった魅力的な広告も目にします。

しかし私は、こうした数字をそのまま信じて購入することには慎重です。ジョージアは確かに面白い市場ですが、首都トビリシと黒海沿岸のバトゥミでは需要構造が大きく異なり、同じ国でも投資判断は全く変わります。

今回は2026年秋時点のジョージア不動産について、経済、人口、観光、価格、利回り、税金、外国人の所有権、そして売却時の流動性まで含めて考えてみたいと思います。

ジョージアという国が持つ独特の魅力

ジョージア最大の特徴は、その地理的な位置にあります。ヨーロッパとアジアの境界に位置し、黒海へのアクセスを持ちながら、トルコやアゼルバイジャンなどとも陸路でつながっています。

近年、世界的に注目されているのが、中国とヨーロッパを中央アジア、カスピ海、コーカサス経由で結ぶミドルコリドーと呼ばれる物流ルートです。ロシアを経由しない国際物流網の重要性が高まる中で、ジョージアは黒海と内陸の中央アジアをつなぐ重要な位置にあります。

これは単なる地理的な話ではありません。物流が発展すれば、道路、港湾、倉庫、オフィス、住宅、ホテルなどの需要にも波及する可能性があります。

もちろん物流量が増えたからといって、トビリシのマンション価格が必ず上昇するわけではありません。しかし国の中長期的な成長性を見るうえでは、こうした地理的優位性は非常に重要です。

また、ジョージアは旧ソ連圏の国でありながら、ビジネス環境の改善や外国資本の誘致に積極的に取り組んできました。外国人が比較的容易に法人を設立できることや、不動産登記の手続きが整備されていることも、海外投資家にとって魅力の一つです。

経済成長率の高さは不動産投資にとって追い風になるのか

ジョージア経済は、近年比較的高い成長率を記録してきました。2022年から2024年にかけては、観光回復、サービス業、移住者の流入、消費、建設投資などが経済を押し上げました。

2022年以降、ロシアによるウクライナ侵攻を背景として、ロシアなどからジョージアへ移住する人が増えたことも不動産市場に大きな影響を与えました。

特に首都トビリシでは、住宅賃料が急激に上昇した時期がありました。

ここで重要なのは、その賃料上昇がすべて恒久的な需要によるものではないということです。

移住者が短期間に流入すれば、住宅供給が追い付かず賃料は上昇します。しかし移住者が帰国したり、他国へ移動したり、新築住宅の供給が増えたりすれば、賃料は調整します。

私は海外不動産を見る時、一時的な人口流入によって上昇した賃料を、そのまま将来10年間の収益予測に使うべきではないと考えています。

ジョージアの経済成長は魅力ですが、その成長が住宅の実需へどの程度つながっているかを確認する必要があります。

首都トビリシは実需型不動産投資の中心

ジョージア不動産を検討する場合、まず注目したいのが首都トビリシです。

トビリシはジョージアの政治、経済、教育、金融、雇用の中心であり、人口も国内で最も集中しています。

海外不動産では、この首都への集中度が非常に重要です。地方都市と首都では、賃貸需要の厚みも、購入希望者の数も、所得水準も異なるからです。

トビリシには大学、政府機関、銀行、IT企業、ホテル、商業施設などが集まっており、国内の地方都市から移住する人もいます。

つまり賃貸需要が外国人観光客だけに依存していません。

私はジョージアで長期賃貸を前提とした不動産を購入するなら、基本的にはトビリシから検討します。

ただし、トビリシでもエリアによって特徴は大きく異なります。

Vakeは比較的高級な住宅地として知られ、所得水準の高い居住者や外国人などの需要があります。Saburtaloは住宅、大学、商業施設が集積するエリアで、長期賃貸需要を検討するうえで興味深い地域です。旧市街周辺は観光需要もありますが、歴史的建築物の修繕や管理、アクセス、建物品質などに注意が必要です。

投資家として重要なのは、有名なエリアだから購入することではありません。実際に誰が借りるのか、いくらの賃料を負担できるのか、そして将来誰が買うのかを確認することです。

黒海沿岸のバトゥミは、トビリシとは全く違う市場

ジョージア不動産で海外投資家向けに最も積極的に販売されている都市の一つが、黒海沿岸のバトゥミです。

バトゥミはリゾート都市であり、黒海沿岸には高層ホテルやコンドミニアムが並んでいます。トルコからのアクセスも良く、観光やカジノ、ホテル需要などを背景に発展してきました。

海沿いに高層マンションが立ち並ぶ景観は、ドバイや東南アジアのリゾート都市を連想させます。

そして実際、外国人向けの投資商品としてホテル型コンドミニアムやサービスアパートメントが数多く販売されています。

しかし、私はバトゥミ不動産についてはトビリシ以上に慎重な分析が必要だと思っています。

最大の理由は、賃貸需要の季節性と供給量です。

夏の観光シーズンに高い宿泊単価を取れたとしても、年間を通じて同じ稼働率を維持できるわけではありません。さらに似たような高層コンドミニアムが大量に供給されれば、宿泊料金の競争が起こります。

海外投資家向けの販売資料では、繁忙期の宿泊料金をもとに高い利回りを示すケースがあります。しかし実際の年間収益を計算する際には、閑散期の稼働率、清掃費、管理費、OTA手数料、修繕費、家具の更新費用などを含める必要があります。

表面利回りが10%でも、実質利回りが5%以下になる可能性はあります。

さらに重要なのが売却です。

同じようなコンドミニアムが大量に販売されている場合、数年後に売却しようとしても、新築物件と競争しなければなりません。

私はバトゥミを否定するわけではありませんが、観光需要が強いことと、個別のコンドミニアム投資が優れていることは別だと考えています。

ジョージア不動産の最大の魅力は比較的低い参入価格

ジョージア不動産が注目される理由の一つは、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、東京中心部などと比較して、比較的小さい資金から投資できることです。

例えばトビリシやバトゥミでは、エリアや築年数、建物品質によって大きく異なりますが、数万米ドル台から購入を検討できる住戸も存在します。

日本円で1,000万円前後の予算でも、選択肢を探せる市場です。

ただし、価格が安いことと割安であることは違います。

例えば1㎡当たり1,500米ドルのマンションがあったとします。

ロンドンと比較すれば圧倒的に安いでしょう。

しかし、その地域の平均所得が低く、現地の人が住宅ローンを使っても購入できない価格であれば、必ずしも割安とは言えません。

私は海外不動産を見る時、世界の都市との価格比較よりも、まず現地の人がその価格で買えるのかを重視しています。

ジョージアの場合も、現地の平均所得、住宅ローン金利、購入者の所得水準、中古住宅の取引量などを確認する必要があります。

海外投資家に販売されている価格と、現地の中古市場で実際に成立している価格が同じとは限りません。

外国人が不動産を購入しやすいことも魅力

ジョージアは、外国人による住宅や商業用不動産の取得が比較的しやすい国として知られています。

一般的な非農業用不動産については、外国人個人でも所有権を取得できる仕組みがあります。一方、農地については外国人による所有に強い制限があります。

したがってジョージアで不動産を買うために、必ず現地法人を設立しなければならないわけではありません。

これは投資家にとって非常に大きなメリットです。

例えば外国人が直接区分マンションを所有できない国では、現地法人や長期リースなど複雑なスキームを検討する必要があります。

その点、ジョージアでは一般的な住宅投資について比較的シンプルな所有形態を検討できます。

ただし、不動産登記簿、土地の用途、建築許可、抵当権、共有部分、開発会社の権利関係などは購入前に確認しなければなりません。

外国人が購入できるということと、安全に購入できるということは別問題です。

不動産投資家にとって税制も興味深い

ジョージアの税制は、海外投資家にとって比較的分かりやすい部分があります。

例えばジョージアでは、一定の居住用不動産の賃貸収入について、条件を満たして所定の登録を行った個人には、総賃料収入に対して5%の所得税率が適用される制度があります。

これは非常に興味深い仕組みです。

ただし、すべての不動産賃貸収入に無条件で5%が適用されるわけではありません。住宅用か商業用か、個人か法人か、どのような賃貸契約なのかなどによって税務上の取扱いは異なります。

また、一定の不動産売却益については保有期間に応じた免税制度も存在します。例えば個人が一定の住宅用不動産を2年超保有した場合の売却益について、現地法上の免税要件を満たすケースがあります。

もっとも、これはジョージア側の税制の話です。

日本の税務居住者がジョージア不動産を所有する場合、原則として日本側でも賃料収入や売却益の課税関係を検討する必要があります。現地で税金が低いから、日本でも無税になるわけではありません。

外国税額控除の適用可否や所得区分、経費計上、為替換算なども含めて、日本側の税務処理が必要です。

そのため、ジョージアの低税率だけを理由に不動産を購入するのは適切ではありません。

ただ、現地税制が比較的シンプルであることは、長期的な不動産運用にとってプラス材料だと思います。

米ドル建てで価格や賃料が表示される市場という特徴

ジョージア不動産には、もう一つ特徴があります。

それは、不動産価格や賃料が米ドルを基準に表示されることが多い点です。

ジョージアの法定通貨はラリですが、不動産市場では米ドル建ての価格表示や米ドルを基準にした価格交渉が広く見られます。

これは海外投資家にとって価格を理解しやすい一方、注意すべき点でもあります。

例えば米ドルを基準に購入した不動産であっても、現地の所得や住宅ローンはラリとの関係を持っています。

米ドルがラリに対して大きく上昇すれば、現地の人にとって住宅価格が割高になる可能性があります。

また、日本人投資家の場合には円と米ドル、場合によってはラリとの為替関係まで考える必要があります。

したがって米ドル建てで販売されているからといって、為替リスクがないわけではありません。

私は海外不動産投資では、購入価格の表示通貨、実際の決済通貨、賃料の受取通貨、売却代金の通貨をそれぞれ確認するべきだと考えています。

ジョージア不動産は本当に高利回りなのか

このコンテンツはログインユーザーのみに制限されています。このコンテンツを表示するにはログインしてください。

※この続きは会員限定です。
無料会員登録・ログインすると続きをご覧いただけます。

▶ 無料会員登録はこちら

関連記事

目次