日本の不動産投資と海外不動産投資は全く別物です

トラブル事例と回避策

~国内不動産の常識を海外へ持ち込むと、かなり高い確率で失敗します~

不動産投資という言葉だけを見ると、日本の不動産投資も海外不動産投資も同じように見えるかもしれません。

家賃収入を得る、値上がりを狙う、不動産を保有する。

この大枠だけ見れば確かに同じです。

しかし実務の現場から見ると、日本の不動産投資と海外不動産投資は、ほぼ別物です。

私は国内不動産も海外不動産も見てきましたが、特に初心者の方ほど、日本の感覚のまま海外不動産を見てしまう傾向があります。

そしてこの感覚のズレが、海外不動産で失敗する大きな原因になります。

今回は、日本の不動産投資と海外不動産投資の違いについて、できるだけ分かりやすく整理していきます。

まず最大の違いは「情報の透明性」

日本の不動産投資は、良くも悪くも情報がかなり整っています。

不動産ポータルサイト、路線価、固定資産税評価額、登記簿、過去の取引事例もある程度確認可能、銀行も融資評価を行います。

つまり、日本では一定の情報をもとに、ある程度客観的に物件を評価できます。

一方で海外不動産は、国によって情報の透明性が全く違います。

成約価格が公開されていない国もあれば、売主やデベロッパー側の言い値で価格が決まっているケースもあり、外国人向け価格と現地人向け価格が違うケースもあります。

つまり、海外不動産では、そもそも自分が適正価格で買っているのか判断しづらいことが多いのです。

これは非常に大きな違いです。

日本であれば「相場より少し高い」程度で済むこともありますが、海外では外国人向け価格として20%、30%、場合によってはそれ以上高く買ってしまうケースもあります。

海外不動産で最初に確認すべきなのは、利回りではありません。

自分が買おうとしている価格が、現地の本当の市場価格なのか。

ここが重視すべき点です。

融資環境が全く違う

日本の不動産投資では、銀行融資が非常に重要です。

むしろ日本の不動産投資は、融資ありきで成り立っている部分があります。

年収、勤務先、自己資金、物件評価、担保評価。

これらをもとに金融機関が融資を行います。

一方で海外不動産は、日本人が現地で融資を受けることが難しいケースが多いです。

現地銀行が外国人に融資しない国もあり、融資できても金利が高い国もあります。また、融資期間が短いケースもあれば、自己資金比率が大きく求められることもあります。

つまり、日本のように少ない自己資金でレバレッジをかけて買い増しする投資モデルは、海外では必ずしも通用しません。

海外不動産では、現金購入または高い自己資金比率が前提になるケースも多いのです。

この時点で、日本の不動産投資とはゲームルールが大きく違います。

所有権の考え方が違う

日本では、土地も建物も外国人を含めて所有できます。

これは世界的に見るとかなり珍しいです。

多くの国では、外国人による土地所有に制限があります。

例えば、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナム、モンゴル、カザフスタンなどでは、外国人が土地を自由に所有できないケースがあります。

そのため、海外不動産では、購入しているものが本当に所有権なのか、借地権なのか、使用権なのか、区分所有なのかを確認する必要があります。

日本の感覚で「不動産を買った」と思っていても、実際には長期リースだったということもあります。

もちろん、借地権だから悪いというわけではありません。

イギリスやシンガポール、香港のように、リースホールドでも市場が成熟している国もあります。

重要なのは、権利形態を理解した上で買っているかどうかです。

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