~カスピ海と石油、未来都市バクー。日本人にはまだ知られていないコーカサスの国~
2023年に社会現象とも言えるほど大ヒットしたTBSの日曜劇場『VIVANT』。
そして2026年、その続編となる第2シーズンが放送されています。
今回の『VIVANT』で大きく注目されている国の一つが、アゼルバイジャンです。
TBSは2026年版『VIVANT』について、アゼルバイジャンで大規模ロケを敢行したことを公式に発表しています。
実際、制作プロデューサーも約2カ月間アゼルバイジャンに滞在して撮影を行っていたとされており、前作のモンゴルに続き、普段日本人があまり目にすることのない国が再びドラマの舞台として登場しています。
日本ではまだ、
「アゼルバイジャンってどこ?」
という人もかなり多いと思います。
しかし実際に調べてみると、この国はかなり面白いです。
ヨーロッパとアジアの境界。
カスピ海。
石油・天然ガス。
近未来的な首都バクー。
イスラム文化。
旧ソ連圏。
F1。
世界遺産。
そして不動産市場。
今回は、『VIVANT』をきっかけにアゼルバイジャンを知った方向けに、この国が一体どのような国なのかを海外不動産・海外投資の視点から解説していきたいと思います。
そもそもアゼルバイジャンはどこにある?
アゼルバイジャンは、
南コーカサス地域
に位置する国です。
西側にはアルメニア。
北側にはロシア。
北西にはジョージア。
南側にはイラン。
そして東側にはカスピ海があります。
地理的には、
ヨーロッパとアジアの境界。
ロシア、中東、中央アジア、ヨーロッパの交差点。
という非常に面白い場所にあります。
世界銀行もアゼルバイジャンを、カスピ海沿岸の南コーカサスに位置する戦略的重要性の高い国として位置付けています。
人口は2025年時点で約1,025万人。
IMFの2026年データでは約1,050万人規模とされています。
人口規模としては、
日本の約12分の1程度。
決して巨大な国ではありません。
しかし国際政治・エネルギー・物流という観点では、国の人口以上に存在感があります。
首都バクーがとにかく面白い
アゼルバイジャンの首都が、
バクー
です。
カスピ海沿岸に位置する都市で、アゼルバイジャン人口・経済・ビジネスの中心です。
初めて写真を見ると、
「本当に旧ソ連圏なのか?」
と思う人も多いでしょう。
高層ビル。
大型ホテル。
高級ブランド。
海沿いの遊歩道。
近未来的な建築。
一方で街の中心部には歴史ある旧市街があります。
特に有名なのが、
Flame Towers(フレームタワー)
です。
炎のような形をした3棟の高層ビルで、現在のバクーを象徴する建築物の一つです。
夜になると建物全体がLEDでライトアップされ、炎やアゼルバイジャン国旗などが映し出されます。
バクーにはこのような近未来的な建築がある一方で、旧市街イチェリシェヘルはユネスコ世界遺産に登録されています。
アゼルバイジャン政府観光サイトも、バクーを「東洋と西洋が交差する都市」と紹介しており、旧市街、Maiden Tower、Shirvanshahs’ Palaceなどを主要観光資源として挙げています。
この「旧市街+未来都市」のコントラストが、バクー最大の魅力だと思います。
なぜ「火の国」と呼ばれるのか
アゼルバイジャンは、
Land of Fire=火の国
とも呼ばれます。
国名の由来には複数の説がありますが、古くから天然ガスが地表へ噴出し、自然発火する地域が存在してきました。
その象徴の一つが、
ヤナル・ダグ。
天然ガスによって山肌が燃え続ける場所です。
また古代からゾロアスター教との関係も深く、「火」はアゼルバイジャン文化の重要な象徴となっています。
首都のフレームタワーも、まさにその炎をモチーフにしています。
実は世界有数の石油・天然ガス国家
アゼルバイジャン経済を理解するうえで絶対に外せないのが、
石油と天然ガス
です。
バクー周辺では19世紀後半から大規模な石油開発が進み、世界でも非常に早い時期から石油産業が発達しました。
現在でも石油・天然ガスはアゼルバイジャン経済の重要な柱です。
カスピ海の油田・ガス田から産出したエネルギーを、パイプラインを通してジョージア、トルコ、さらにヨーロッパへ輸出しています。
特に近年は、ロシア産エネルギーへの依存を減らしたいヨーロッパにとって、アゼルバイジャン産天然ガスの重要性が高まっています。
つまりアゼルバイジャンは、
「人口1,000万人程度の小国」
というだけではありません。
エネルギー供給国として国際政治上かなり重要なポジションにいる国
です。
2026年のアゼルバイジャン経済はどうなのか?
では現在の経済状況はどうでしょうか。
IMFは2026年の実質GDP成長率を約2.1~2.2%と予測しています。
一方、非石油・ガス部門については3.7%程度の成長を見込んでいます。
つまり現在のアゼルバイジャンは、
石油国家から、どこまで非資源型経済へ転換できるか
という局面にあります。
IMFは、原油生産の弱さによって石油・ガス部門は2026年に縮小すると予測する一方、非石油部門の成長がやや加速するとしています。
実際、2026年1~7月の統計では、
GDP成長率+1.4%。
非石油・ガスGDP+2.2%。
非石油・ガス産業+4.4%。
運輸・倉庫+7.1%。
情報通信+10.4%。
固定資本投資+10.7%。
となっています。
つまり、
「石油しかない国」
から、
IT。
物流。
観光。
建設。
製造業。
再生可能エネルギー。
などへ産業を広げようとしている段階です。
これは今後のアゼルバイジャンを見るうえで非常に重要です。
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