年利15〜20%!?モンゴルの社債投資が面白い

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~日本では考えにくい高金利。モンゴルの債券市場をプロの視点から考える~

「年利15%の社債があります」

日本でこのような話を聞いたら、多くの人はまず警戒すると思います。

「怪しいのではないか?」

「そんな利回りが本当にあるのか?」

「元本が返ってこないのではないか?」

当然の反応です。

日本では長い間、銀行預金の金利がほぼゼロに近い環境が続き、上場企業の普通社債でも利回り数%程度という感覚が一般的でした。そのため、「年利15%」「年利20%」という数字だけを見ると、非常に特殊な金融商品に感じるでしょう。

しかし、世界へ目を向けると状況は全く違います。

特に私が長年見ているモンゴルでは、年利15~20%前後、場合によっては20%を超えるトゥグルグ建て社債が実際に市場で流通しています。

2026年夏時点でモンゴル証券業協会(MASD)の店頭市場を見ると、12~24カ月程度のトゥグルグ建て社債について、18%、19%、20%、21%、22%といった利率の銘柄が実際に並んでいます。金融、リース、建設、運輸、鉱業、ICTなど発行体の業種も様々です。 

つまり、

「モンゴルでは年利15~20%の社債が存在する」ということ自体は、決して架空の話ではありません。

ただし、ここで絶対に間違えてはいけないことがあります。

「20%だから儲かる」

というほど単純な投資ではありません。

なぜモンゴルではこれほど高い金利が成立するのか。

為替リスクはどう考えるべきなのか。

どの企業の社債でも買えば良いのか。

ドル建てとトゥグルグ建てでは何が違うのか。

今回は、モンゴルと金融市場を長年見てきた立場から、モンゴル社債投資の面白さとリスクについて解説したいと思います。

そもそも「社債」とは何なのか

まず基本から説明しましょう。

社債とは簡単に言えば、

企業に対して投資家がお金を貸す金融商品

です。

株式の場合、投資家は会社の株主になります。

会社が成長して株価が上昇すれば大きな利益を得られる一方、配当や株価上昇は保証されません。

一方、社債の場合は基本的に、

「100万円貸してください。1年間、年利15%を支払い、満期になったら100万円を返します」

という契約です。

例えば1,000万円を年利15%、期間2年の社債へ投資したとします。

単純計算で年間利息は150万円。

2年間なら300万円です。

満期時に元本1,000万円が返済されれば、投資家は合計300万円の利息収入を受け取ります。

もちろん実際には利払い方法、税金、為替、手数料などがありますので、手取りがそのまま300万円になるわけではありません。

しかし構造そのものはシンプルです。

問題は、

その会社が本当に元本と利息を返せるのか。

ここに社債投資の本質があります。

本当にモンゴルでは年利20%前後の社債があるのか

あります。

2026年7月前後のモンゴル証券業協会のOTC市場を見ると、例えばトゥグルグ建てで19.5~20%、20.5%、21%、22%といった利率の社債が複数確認できます。

例えば金融・リース会社の社債で19~20%台、建設・運輸企業で20~22%程度、鉱業系企業で18~21%程度といった水準です。

日本人の感覚からすると異常に高く見えるかもしれません。

しかしモンゴル国内からすると、この金利には理由があります。

その最大の理由が、

モンゴルそのものの金利水準が高い

ことです。

モンゴルでは政策金利自体が12.5%

2026年8月12日、モンゴル銀行は政策金利を0.5%引き上げ、12.5%としました。

同時にトゥグルグ建て負債に対する預金準備率も14.5%へ引き上げています。

背景にはインフレがあります。

2026年7月時点で、モンゴルの年間インフレ率は全国、ウランバートルともに13.0%に達しました。 

つまり日本とは金融環境そのものが全く違います。

政策金利が12.5%の国で、企業が数%で資金調達できるわけではありません。

投資家から資金を集めようとすれば、

15%。

18%。

20%。

という金利を提示する必要が出てきます。

だからモンゴルの年利20%は、

「突然現れた異常な金融商品」

というより、

高金利・高インフレ国における金融市場の価格

と考えた方が正確です。

日本の金利感覚でモンゴルを見てはいけない

ここは海外投資を考えるうえで非常に重要です。

日本人はどうしても、日本の金利を基準に世界を見ます。

定期預金がほとんど増えない。

住宅ローンでも比較的低金利。

優良企業の社債も低い金利。

そのため年利15%と聞くと、

「15%も払わないと資金調達できない会社なのだから危険なのでは?」

と考えます。

もちろん信用リスクはあります。

しかし一方で、政策金利自体が12.5%の国です。

モンゴル国内で15~20%の利回りが付いていることと、日本企業が日本で20%の社債を発行することは、全く意味が違います。

その国の政策金利。

銀行貸出金利。

インフレ率。

国債利回り。

預金金利。

これらと比較しなければ、債券の利率が高いか低いかは判断できません。

なぜ企業は銀行ではなく社債で資金調達するのか

「それなら企業は銀行から借りれば良いのでは?」

と思う人もいるでしょう。

しかしモンゴルでは銀行融資自体の金利も高い。

さらに担保条件や融資枠などの制約があります。

特に成長企業の場合、

新しい店舗を出したい。

車両を増やしたい。

リース事業を拡大したい。

不動産を開発したい。

設備投資をしたい。

しかし銀行融資だけでは資金が足りない。

そこで社債市場を利用します。

これは世界中で普通に行われている企業金融です。

銀行融資。

増資。

社債。

企業は複数の手段を組み合わせて資金調達します。

モンゴルでも資本市場が発展するにつれて、社債を使う企業が増えてきています。

モンゴルの債券市場自体も大きくなっている

モンゴルの債券市場は、以前よりかなり発展しています。

Capital Markets Mongoliaによる2026年5月のレポートでは、シニア無担保債を中心とした債券残高は約54億米ドル規模に達し、国債、政府系発行体、企業債などで構成されています。

2026年第1四半期には、Tsetsens Mining and Energy LLCが3億ドル規模の5年債を初めて発行したほか、M-Bankも市場へ参入しています。またGolomt Bankは日本市場で初のサムライ債を発行するなど、モンゴル企業の資金調達先も多様化しています。 

つまり現在のモンゴルは、

「銀行から借りるだけの金融市場」

から、

銀行・株式・債券を組み合わせる資本市場

へ徐々に移行している段階です。

私は、この発展途上だからこそ投資機会が存在すると考えています。

では年利20%なら、1,000万円がどうなるのか

非常に単純な計算をしてみましょう。

仮に1,000万円相当を年利20%の社債へ投資したとします。

1年間の利息は200万円相当です。

2年間なら400万円相当。

かなり大きいです。

日本で1,000万円を預金しても、これほどの収益を得ることは難しいでしょう。

不動産で年間200万円の純利益を得ようとすれば、相応の物件価格が必要です。

その意味では、社債という商品自体は資金効率の非常に高い投資になり得ます。

しかし、

「それなら全財産をモンゴル社債へ入れれば良い」

という話では当然ありません。

ここからが最も重要です。

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