海外不動産の「出口難易度ランキング」

物件の買い方・売り方

—本当に売りにくい国はどこか。現場で見てきたリアル—

海外不動産の話になると、多くの人が「どこが儲かるか」という視点で国を選びます。しかし、実務の現場で本当に重要なのは、むしろその逆です。「どこが売れるか」。もっと言えば、「どこなら、ちゃんと出口が作れるか」という視点です。

不動産投資は買った瞬間に成功が決まるわけではありません。売却して初めて、結果が確定します。ところが、多くの投資家は購入時には非常に慎重なのに、出口の話になると急に楽観的になります。「海外は人口が増えている」「経済が伸びている」「需要がある」。こうした言葉を聞いて安心してしまう。しかし実際には、人口が増えていても売れない市場はありますし、経済が伸びていても流動性が極端に低い国もあります。

ここでは、実務経験上の感覚をベースに、“本当に売りにくいかどうか”という観点だけでランキング化します。単なる人気ランキングではありません。むしろ、人気があっても売りにくい国は普通に存在します。

出口難易度とは何で決まるのか

まず前提として、出口難易度は単純に「人気があるかどうか」では決まりません。本当に効いてくるのは、もっと地味で現実的な要素です。

例えば、現地にどれだけ投資家がいるか。外国人の売買がどれだけ一般的か。金融機関の融資が出やすいか。税制が売却を阻害しないか。仲介市場が成熟しているか。このあたりが揃っていないと、どれだけ魅力的な物件でも売却には苦労します。

さらに重要なのは、「外国人が買い手になる文化があるか」という点です。これは意外と見落とされがちですが、非常に大きな差を生みます。外国人投資家が日常的に出入りしている市場は、出口が作りやすい。一方で、国内投資家中心の市場は、外国人の売却時に大きな壁になることがあります。

出口難易度:Sランク

「最も売却しやすい市場」

このカテゴリーは、世界でも限られています。ここに入る市場は、「売ろうと思えば売れる」という安心感があります。

代表的なのは、ニューヨークとロンドンです。

ニューヨークの特徴は、買い手の層が極めて厚いことです。個人投資家、法人、ファンド、海外富裕層。あらゆるプレイヤーが常に市場にいます。つまり、「買い手がいない」という状況がほぼ起きません。もちろん価格は上下しますが、売却そのものが成立しないというケースは非常に少ない。

ロンドンも同様です。特に中心部の不動産は、世界中の資金が集まる場所です。実際に売却の現場でも、イギリス人だけでなく、中東やアジアの資金が入ってくることは珍しくありません。この「国際資金が入ってくる市場」という特徴が、出口を圧倒的に強くします。

ただし、このランクの国でも注意点はあります。それは「物件の質」です。市場が強くても、極端に条件が悪い物件は当然売れにくくなります。つまり、Sランク市場は「万能」ではありませんが、「救われやすい市場」であることは間違いありません。

このコンテンツはログインユーザーのみに制限されています。このコンテンツを表示するにはログインしてください。

※この続きは会員限定です。
無料会員登録・ログインすると続きをご覧いただけます。

無料会員登録はこちら

関連記事