「少額で不動産が持てる」の裏側にある現実
近年、「不動産を丸ごと1棟買うのは大変だけど、共有持分なら少額から始められる」という考え方が広がり、不動産の共有持分投資に興味を持つ人が増えてきました。
特に最近は、数百万円単位で不動産の一部を所有できるという商品やスキームが増えており、「手軽な不動産投資」として紹介されることも少なくありません。
確かに、資金面のハードルが下がるという意味では、共有持分という仕組みは一定の合理性があります。しかし、これまで数多くの不動産案件を見てきた経験から言えるのは、共有持分投資は、一般的に思われている以上にリスクが高い構造を持っているということです。
しかもそのリスクは、購入時には見えにくく、後になってから大きな問題として浮き彫りになることが多いのが特徴です。
「自分の物件なのに自由にできない」という矛盾
共有持分投資の最大の特徴は、一つの不動産を複数人で共有するという点です。
例えば、あるマンションや戸建を、数人あるいは十数人で持ち分として分けて所有する形になります。
一見すると合理的な仕組みに見えますが、ここには大きな問題があります。それは、
自分の持分であっても、自由に使えない
という現実です。
例えば、
・売却したい
・賃貸条件を変えたい
・修繕の方針を決めたい
こうした重要な判断は、単独ではできないケースがほとんどです。
他の共有者の同意が必要になるため、自分一人の意思では動けないのです。
これは、不動産投資において非常に大きな制約になります。
意見がまとまらないと、何も進まない
共有持分の不動産で、最もよく起きる問題が、
意思決定ができない
という状態です。
例えば、建物が老朽化してきた場合、本来であれば早めに修繕を行う必要があります。しかし、修繕には当然費用がかかります。
ここで、
「修繕すべきだ」と考える人
「費用をかけたくない」と考える人
このように意見が分かれることは珍しくありません。
そして多数決や合意形成が必要になると、話がまとまるまでに長い時間がかかります。
その間に建物の状態が悪化し、結果として資産価値が下がってしまうというケースも現実に起きています。
不動産は時間とともに劣化する資産です。意思決定の遅れは、そのまま価値の低下につながります。
※この続きは会員限定です。
無料会員登録・ログインすると続きをご覧いただけます。