はじめに
アメリカ不動産は、日本の不動産取引とは“構造が全く違います”。
この事実を理解していないと、現地エージェントに任せきりになり、「何が正しいのか分からないままサインしてしまう」という事態になりやすいです。
アメリカ不動産には
- エスクロー(Escrow)
- タイトル(Title)
- 契約書(Purchase Agreement)
- ディスクロージャー(Seller Disclosure)
- デューデリジェンス(Inspection / Appraisal)
- クロージング(Closing)
という、日本では存在しない仕組みが多く、
仕組みを理解するだけで投資の失敗確率は80%減る。
この記事は、今後アメリカ不動産を買う日本人が「これを読めば仕組みが大方分かる」というレベルに落とし込んだ“実務ガイド”としてまとめています。
- アメリカ不動産取引は「日本と別世界」
まず結論から申し上げると、アメリカでは
- 売主エージェント(Seller Agent)
- 買主エージェント(Buyer Agent)
が分かれており、買主側エージェントは買い手(あなた)の味方として無料で動いてくれる(※手数料は売主側が負担する仕組み)
つまり、日本のような「仲介の中立性」は存在せず、アメリカは“買い手代理のプロ”があなたのために戦う構造になっています。
ここが理解できていない日本人投資家が多いのと、買主からも手数料を取る日本の不動産業者がほとんどです。但し、海外不動産取引においては宅建業法とは関係なく、コンサルティングフィー等で手数料を取ることは法的にも問題ございませんので至って悪徳業者ではないです。
- エスクロー(Escrow)が取引の“心臓部”である理由
アメリカ不動産最大の特徴は第三者機関(Escrow)が資金と書類を完全管理することです。
エスクローは銀行でもなく不動産会社でもなく、“完全に中立の取引専門会社”として以下を管理します:
■ エスクローが管理するもの
① 契約書(Purchase Agreement)
② 頭金(Earnest Money)
③ 売主・買主の必要書類
④ 修繕交渉の合意事項
⑤ 税金・保険・各費用の清算
⑥ クロージングでの資金移動
⑦ Title Insuranceの発行手配
⑧ 登記(Recording)
つまり、エスクローが「OK」と言うまで取引は成立しないです。
日本のように「不動産会社がすべて管理」は絶対に起こらないのがアメリカ不動産の特徴です。
2-1. Earnest Money(アーネストマネー/手付金)
オファー(日本で言うところの買付)が受諾されると、通常 購入価格の1〜3% をエスクロー会社へ手付金として送金します。
これは手付金だが、
- キャンセルでも戻るケースあり
- DD期間中にキャンセルすれば全額返金
というのが日本との大きな違いです。
※ DD期間外のキャンセルは手付金を没収されるので超要注意です。
2-2. Escrow Instruction(エスクロー指示書)
エスクロー会社は、契約書に記載された条件通りにしか動かないです。
これが“中立性”の根拠になっています。
- タイトル(Title Company)
タイトル会社は 所有権の調査と保険の発行 を担当します。
これは日本には存在しない概念で、極めて重要です。
3-1. Title Search(権利調査)
調査内容:
- 現所有者は誰か
- 過去に差押え・税金滞納はないか
- HOAの未払いはあるか
- Liens(抵当権)が残っていないか
- CC&R(利用制限)の確認
- 地役権(Easement)
- 境界トラブル
- 市の許可状況
これらを洗い出し、問題があれば買主に通知します。
問題があればエスクローは「Closing NG」を宣言します。
日本ではありえないレベルの保護制度かなとも思いますね。
3-2. Title Insurance(タイトル保険)
アメリカ不動産で最も重要な“保険”のひとつです。
所有権に関する全トラブルを保険会社が保証してくれます。
種類:
- Owner Title Insurance(買主保証)
- Lender Title Insurance(融資銀行保証)
「登記が正しいかどうか」を保険会社が保証するため、所有権トラブルの99%は回避できます。
これがあるからアメリカ不動産は安全に取引できます。
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